プレスリリース

Press Release
2020年10月8日
HAPSモバイル株式会社
Loon LLC

世界初!HAPSモバイルとLoon、成層圏飛行中のLTE通信に成功
~Sungliderのテストフライト中に、無線機を通してビデオ通話を実施~

ソフトバンク株式会社の子会社であるHAPSモバイル株式会社(以下「HAPSモバイル」)と、米Alphabet Inc.の子会社であるLoon LLC(ルーン、以下「Loon」)は、2020年9月21日(米国山岳部時間)に米国ニューメキシコ州のSpaceport America(以下「SpA」)で実施した、HAPSモバイルの成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「Sunglider(サングライダー)」のテストフライトにおいて、共同で開発したペイロードと呼ばれる成層圏対応無線機※1の通信に成功しました。自律型航空式のHAPS(High Altitude Platform Station)によって、成層圏からLTEの通信に成功するのは、世界で初めてです。

今回のテストフライトでは、自律型航空式のHAPSにおいて、世界最大級および最重量の成層圏対応無線機(一式約30キログラム)を使用しました。飛行中にMIMO技術を用いたLTE通信を約15時間(成層圏では5時間38分)実施し、LTEの実装を確認することができました。最大風速58ノット(秒速約30メートル)、最低気温マイナス73度という厳しい環境の中でも、成層圏対応無線機は問題を起こすことなくその性能を発揮しました。

通信試験では、成層圏対応無線機を通してインターネットに接続されたスマートフォンを持つ、SpAにいるLoonや米AeroVironment社のメンバーと、日本にいるHAPSモバイルのメンバーが、ビデオ通話をすることに成功しました。今回の通信試験は、700MHz帯(LTE Band 28)の周波数によるSungliderからのサービスリンクと、70~80GHz帯の周波数によるSungliderと地上のゲートウェイをつなぐフィーダーリンクによって構成されました※2。Sungliderからの電波は、既存のスマートフォンなどの端末で直接受信できるため、SpAにいるLoonや米AeroVironment社のメンバーは、普段使用しているスマートフォンでビデオ通話ができました。今回、円滑に動作することが確認できただけでなく、低遅延かつ高解像度なビデオ通話を実現しました。

世界初!HAPSモバイルとLoon、成層圏飛行中のLTE通信に成功

このビデオ通話では、Google, LLCのバイスプレジデント、Chief Internet Evangelistであり、「インターネットの父」と呼ばれる、Vint Cerf(ビント・サーフ)氏と、慶應義塾大学 環境情報学部の教授で、HAPSモバイルの社外取締役でもあり、「日本のインターネットの父」と呼ばれる村井 純が、HAPSの意義やインターネットの未来について語りました。

テストフライトの様子(動画)はこちらをご覧ください。

テストフライトの様子(動画)はこちらをご覧ください。

通信試験の様子

通信試験の様子

その他、今回のテストフライトでは、HAPS向けとして検討が求められている周波数帯の一部について、国際電気通信連合の無線通信部門(ITU-R)のSG3に提案されている干渉評価用のHAPS電波伝搬モデルを評価するための電波伝搬基本測定を実施しました。これによって、HAPS向け周波数帯の国際標準化に向けて、成層圏・地上間の電波伝搬データの取得に成功しました。HAPSモバイルとLoonは、今後も協力してITUや3GPPなどへの働き掛けをしていきます。

[注]
  • ※1
    Loonと、2020年2月に共同開発した成層圏対応無線機を使用しています。
  • ※2
    サービスリンクは、700MHz帯のうち、5MHz幅を本試験に使用しました。また、屋外だけでなく、屋内での通信試験にも成功しました。

ソフトバンク株式会社の代表取締役 副社長執行役員 兼 CTOであり、HAPSモバイルの代表取締役社長 兼 CEOである宮川 潤一は、次のように述べています。
「Loonと共同で開発した成層圏対応無線機が、厳しい成層圏の環境下においても、その性能を最大限に発揮したことに喜んでいます。今回の通信試験で得られたデータによって、商用化に向けた開発をさらに推し進めることができるだけでなく、HAPSによる通信ネットワークのカバレッジや質を向上させることにもつながります。Loonと引き続き協力し、モバイルインターネット革命に取り組んでいきます」

LoonのCEOであるAlastair Westgarth(アラステア・ウェストガース)は、次のように述べています。
「今回の通信試験の成功は、成層圏における通信の実現に向けた新たな一歩です。また、HAPSモバイルとの協力関係における重要な一歩でもあります。成層圏における新しい技術の開発は、インターネットにつながっていない世界中の人々を通信ネットワークでつないでいくという、両社で共有するゴールにつながるものです」

Google LLCのバイスプレジデントであり、Chief Internet EvangelistであるVint Cerf氏は、次のように述べています。
「9月21日に、大変重要な取り組みに立ち会うことができました。LoonのLTE無線機を搭載したHAPSモバイルのSungliderが、高度6万2,500フィートから提供する通信ネットワークを通して、4者による高解像度なビデオ通話が実現されました。ビデオ通話は、米ニューメキシコ州、米カリフォルニア州、米ワシントンD.C.、東京をつなぎました。この技術は、まだインターネットにつながっていない地域に通信ネットワークを提供するといった、通信の未来に確かな影響をもたらすものです」

慶應義塾大学 環境情報学部の教授であり、HAPSモバイルの社外取締役である村井 純は、次のように述べています。
「成層圏からのモバイルインターネットの提供は、これまでに実現されてきた数々の革新的な技術に加わる、インターネットが次に迎える最も革新的な挑戦です。成層圏で飛行しているSungliderが提供する通信ネットワークを通してビデオ通話を実施するという、歴史的なトライアルに立ち会うことができ、大変光栄でした。トライアルは大成功で、高解像度かつノイズのない映像や低遅延によって、普段通りのビデオ通話を快適に楽しむことができました。昨今のインターネットの大きなミッションである、自然災害時の復旧や、情報格差のない世界の実現のために、HAPSの技術はとても重要です。インターネットは全ての人、モノ、場所のためにあります。この夢の実現に向けて、また一歩踏み出します」

Loonについて

Loonのミッションは、大胆な技術を発明し、統合することで、世界中の人々をつなぐことです。 これらの高度な技術を活用することで、Loonは現在インターネットにアクセスできない数十億人にインターネットを拡大することを可能にします。Loonは、幅広いパートナーと協力して既存のネットワークを拡張・補完し、未来のコネクティビティーへのニーズを満たす新しいソリューションを実現します。Loonの成層圏気球は世界で3,000万キロメートル以上の飛行実績と、数十万ユーザーへの接続実績があります。Loonは、Googleの親会社であるAlphabetの子会社です。詳細はホームページをご覧ください。

HAPSモバイルについて

HAPSモバイル株式会社は、世界の情報格差をなくすことを目指し、HAPS(High Altitude PlatformStation)事業を企画・運営しています。主に、HAPS事業に向けたネットワーク機器の研究開発や、コアネットワークの構築、新規ビジネスの企画、周波数利用に向けた活動などを行っています。また、米Alphabet Inc.の子会社であるLoon LLCとは戦略的関係の構築に合意しています。なお、米AeroVironment,Inc.は、HAPSモバイルのソーラーパネルを搭載した成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「Sunglider」の機体開発パートナーです。
HAPSモバイルはソフトバンク株式会社の子会社です。詳細はホームページをご覧ください。

  • HAPSモバイルおよびSungliderの名称は、HAPSモバイル株式会社の登録商標または商標です。
  • SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
  • その他、このプレスリリースに記載されている会社名および商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。